お客様から
「和室があると、お手入れの方法がわからないので和室のない部屋に住みたい!」
そんなお声を頂きました。
実家や田舎、旅館や民宿など、畳と出会う場面も多く、
畳の香りに癒され、やわらかい質感を心地よいと感じていた私にとって
驚きの出来事でした。
そこで当たり前と思っていた畳のお手入れ方法と
新たに知ったお手入れ方法をご紹介させて頂きます。
■日常のお手入れ
畳の表は日光に当たると、日焼けの跡ができたり、変色したりしてしまいます。
そのため、常に日光が当たらないよう配慮が必要です。
また、畳に掃除機をかけるときは、傷をつけないよう『畳の目に沿って』かけるようにしましょう。
雑巾での掃除も同様で、乾いた布で畳の目に沿って拭くようにします。
縁(ヘリ)については、洗剤をつけてからブラシでたたいて汚れを落とすのが畳を傷つけない掃除方法です。
■もしものときの処置方法
畳にカビが生えてしまうと、「どうしよう」と慌ててしまいますね。
そんなときはブラシや消毒用アルコールを使って、畳の目にそってカビを取るようにします。
畳の上にも家具などを置くことがあると思いますが、長く置くと跡がついてしまいます。
この場合、水で霧吹きをしてからぬれタオルを当ててアイロンをかけると、くぼみを修復することができます。
畳は長く使われるため、何かをこぼしてしまったり、汚れがついたりすることもあります。
それぞれの汚れを処置した後は、しっかり部屋に風を入れ、乾かしましょう。
<インク>
牛乳を湿らせて拭き取るか、レモンで湿らせた後、塩素酸ソーダを10倍に薄めたもので拭きます。
<醤油やソース>
しみこまないように小麦粉やベビーパウダーなどをすぐにふりかけ、水分を吸い取らせます。
その後荒塩をふりかけ、叩いて畳の目からパウダーを浮き出させ、掃除機をかけます。
<クレヨン>
乾いた雑巾にクリームクレンザーを少しつけ拭き取ります。
<油性フェルトペン>
マニキュアの除光液で拭き取ります。
<赤ちゃんのオシッコ>
塩、小麦粉、パウダーのいずれかをすぐにふりかけ、水分を十分に吸い取らせてから掃除機をかけます。
その後お湯で濡らした雑巾を固く絞り、よく拭いて、さらに乾拭きしてよく乾かします。
灯油をこぼした場合もこの方法でOK。
<ガム>
シンナーかベンジンで拭き取ります。畳の目に詰まっているときは、布の上からアイロンを当てて、浮かして取り除きます。
もし畳が焦げてしまったときは、セロハンテープを貼って焦げ穴が大きくならないようにしておきましょう。
以上が、畳を長持ちさせるための対処方法です。
畳は平安時代から使われ、日本家屋ではいまでも多く見られる歴史ある建材です。
畳の材料にはイグサが使用されていますが、これは定期的に取り換える必要があります。
最近はビニール製のフローリングなども見られる中で、吸湿機能や独特の香り、やさしい手触り感は、
イグサを使った畳でしか味わえないものといえます。しっかり手入れをして、長く使いたいですね。